お兄様と屑妹

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  休暇(中略)編〜 つづき のつづき




 少し引っ掛かっていたパジャマから完全にペニスを取り出し、四つん這いになると、口を近づけられる。
 途中、震える舌がちろりと見えた。


「ん…んっ……」


 はむ、と咥えられ、暖かな口腔に包まれた。
 ちゅっちゅっと先端を吸われ、たどたどしく陰茎を可愛らしい舌が辿っていく。
 根元まで行くと、また上へと戻ってくる。

 アッシュはふぅと熱い息を吐き、己の股間へと顔を埋めているルークの頭を撫でた。
 袋の方も細い指で揉まれ、気持ち良さに徐々に勃起していく。


「ふむぅ……はふ、ん、ん……んむ」


 大きくなったものを口いっぱい広げて咥える姿は、視的にかなりくるものがあった。
 苦しげに涙いっぱい溜めて、拙いながらも一生懸命奉仕してくるのだ。

 そしてもの欲しげに腰を揺らす仕草に、アッシュはにやりと質の悪い笑みを浮かべた。


「ルーク」
「んっ……ぁむ、ふ…んんっ……んぅ?」


 とんとんと己のものを掴んでいるその手の甲を軽く叩けば、ルークは不思議そうにこちらを見上げてきた。
 そのまま何も言わずに指でちょいちょいと動作をすると、大きな眼が、より一層開かれる。


「……ルーク?」
「む、ぅむ……」


 俯き、逡巡する時間。けれども結局こちらの指示に従った。

 一度口をペニスから離し、腰を向ける形でおずおずと跨ってくる。
 震える足を掴むと、あっと可愛らしい声を上げた。

 そのまま己の顔の位置までルークの下肢を引っ張り、ネグリジェを捲って下着を露わにする。


「や、やぁ……見ない、で…」


 己の上に横たわり腰だけを高く上げさせると、ルークの顔はちょうどペニス辺りにくる。
 だが先程の続きをしようとはせず、泣きながらこちらを振り向いてきた。


「下着まで、びしょびしょに濡れているな」
「っ! ……うう…だ、だってっ……ひゃぅん!」


 濡れそぼり秘所の形がくっきりと見える下着の上から舐めれば、ルークはそれだけでビクンと弓なりに反らし、震えた。
 次から次へとじわりと胎内から溢れ出てくるものが下着を濡らし、苦味のような甘味が増す。

 何度も何度も膣内へ舌を埋め込むように花弁の間をなぞると、次第にルークの膝はカクカクと動き、突き出している腰が大きく揺れた。


「だ、だめ……や、やぁ……やだ、それ、やぁっ…」
「……下着の上からが、嫌…か?」
「ぅんっ、うんっ……」


 もどかしげに何度も下肢を押し付けてくるルークに苦笑しつつ、アッシュはふっと息を吹きかけた。
 びくっと、面白いくらいに腰が跳ねる。


「だったら…わかるよな?」
「……っん…むぐ…」


 こくりと頷き、ルークはまたアッシュのペニスを咥えた。
 かりっと歯で緩く噛んだり吸ったり、掌で撫でたりと、必死になって奉仕をしてくる。
 濡れている花弁を指でなぞって、ぴくぴくと動く秘所を眺め遊びながら口淫を味わった。

 しばらく堪能して、そしてようやく、卑猥にも目の前で揺れる秘所を露わにしようとルークの下着に手をかける。

 少し汗ばんでいる尻を撫でながら、ゆっくりと下着を下ろしていき、丁寧に片方ずつ足を抜いていってやる。
 取った下着はベッドの隅に追いやった。

 とろとろに濡れて、甘口している厭らしい秘部を眼楽しみつつ。
 ルークの望むままに、ちゅっと直に秘所を吸いやれば、大きな嬌声が上がる。


「ひゃぁあっ!ああ、あんっあんぅ」


 胎内の奥へと舌を差込み、漏れ出てくる蜜をちゅるちゅると啜る。
 花弁を丁寧に舐め、綺麗にすると、そのまま舌を陰核へと移動させていく。

 小さな突起は、快楽によって充血してツンと尖っていた。
 女にとって一番敏感なそこをぐりぐりと捏ね繰り回すと、呂律の回っていない泣き声のような叫びが聞こえてくる。


「いやぁ!や、そこ、やっ、やぁ!やらやらやらぁ!」
「気持ち良いだろう?」
「や、やぁ イっちゃう、イっちゃっ、ひゃあああああっ!」


 既に愛撫を施され快感に浮かされていたせいか、ルークは悲鳴を上げながら呆気無く達した。
 全身を大きくビクビクと痙攣させ、秘所からはぴゅくぴゅくと愛液が飛び出てくる。

 口元に掛かった蜜を舌で舐め取り、また漏れてくるものを吸い、舐め上げた。
 極力敏感になっているのだろう、ぱっくりと開いた秘口の奥がひくひくといやらしく収縮している。


「あ、あんっ……や、も…らめぇ……らめぇ…あ、ぁ」


 ルークは腰を上げたままぐったりと躰を横たえ、身悶えながらか細い嗚咽を漏らしている。
 こちらからは見えないが、ぐすぐすと泣き声が聞こえてきた。

 仕方無いとは思いつつも、もちろんアッシュ的にここで終わらせるわけにはいかない。
 咥えられていたペニスは、今や彼女の胎内に入りたくて先走りを流しながら勃ち上がっているのだ。
 今ここで止めてしまったら、それこそまた具合が悪くなりそうだ。

 ルークの躰を横にずらしつつ、アッシュ自身はまた反対へとずれて、上に乗っていた軽い躰をどかした。
 少しくらりとする頭を押さえ、眩暈が無くなると、上体をゆっくり起こす。

 ルークは涙を流しながら、はふはふと浅い呼吸を繰り返し、くたりしていた。
 その露わになっている腰に腕を回し、こちらへと引き寄せる。

 快楽に浮かされてしまっているのだろう、反応の返ってこない彼女を待たぬまま、アッシュは自身の昂ぶりをどろどろに濡れている胎内へと突き刺した。


「ひゃうううっ!??」
「っ……」


 じゅぶっと一気に奥まで押し込めば、もの凄い締め付けが襲ってきた。
 続いて収縮し、やわやわと嬲ってくる内壁に、息を詰めながらも笑みが浮かぶ。

 腰を動かし、中を掻き回しつつ、震える背に覆い被さる。


「ひゃ、や……、やあっ!お兄様、やだぁ、もぅいやぁあ!」


 咽び泣くルークは、嫌だと言いつつも涙に濡れた頬を摺り寄せてきた。
 あやすように目元に唇を押し当て、涙を掬い取る。

 胸元から手を入れ乳房を掴み、揉みしだく。
 柔らかな感触もとても気持ち良い。
 じゅちゅ、じゅ……と粘り気のある淫靡な音が、己のものを出し入れするたびに大きく鳴る。


「ひぃ、ぁ、ああっ、ん……!あうぅっ!」
「イイ……か?っ……う」
「はぅっ……あ、イイ……イイよぉ、お兄様ぁ。んあっああ!」


 先程からずっとイきっぱなしなのか、熱い胎内からのきつい締め付けが続いていた。
 その中を無理矢理引き抜き、そしてまた無理矢理押し入れれば、相当な快楽になる。

 アッシュは元よりあまり体調が良くないせいか、いつもより早い射精感を感じながら、奥へ奥へと自身を叩きつけていった。


「も、も……可笑しくなっちゃ…も、助けてぇ……ふあぁっんっ」
「はっ……ルーク、好きだ……」
「ぁ……お、に……さまっ…れも、俺もぉ!」


 ぼろぼろと泣きながら呂律の回らない強い快楽を与えられている中で、それでもなお己を求めてくるルークに、アッシュは言いようも無い幸福感を味わった。
 たまにはこんなふうに、ルークに甘えてみるのも良いかもしれない。
 そう、笑みを浮かべる。

 ガクガクと全身を痙攣させながら、ルークも強烈な快楽を味わっているのか、きゅうきゅうっと締め付けてきた。
 イき過ぎて、何が何だかわからなくなってきているのかもしれない。

 アッシュもそろそろかと、一度中程までペニスを抜いた。
 そしてぐりゅっと、膣まで届くのではないかと言う程にペニスを突き刺した。


「ひゃ、あっああああぁっ!」
「ぅっ……」


 ルークが大きく背中を逸らし叫びを上げ、まるで搾り取られるような強烈な締め付けが襲ってくる。
 そのままアッシュも、ルークの胎内へと精液を飛ばした。

















「良い天気だな」


 ベッドに広がる長い焔の髪を丁寧に梳きながら、呟く。

 窓から差し込む柔らかな陽の光は、暖かく部屋全体を照らしていた。
 空も美しいほどに青い。
 本当、良い天気だ。

 しかしその言葉に反応は無い。
 ふぅと息を吐き、アッシュは膨らんでいる毛布のラインをそっと撫でた。


「いつまで拗ねているんだ?」


 少し揺れた物体に声をかければ、もぞもぞと動き、より縮こまってしまう。
 ずっとこんな調子である。

 昨日のセックス後、自分達は揃ってまた眠りへと落ちた。
 そして夕方頃に眼が覚めた時、熱が完全に下がってすっきりとしていた己とは違い、ルークは微熱程度ではあるが、また熱を出したのである。

 病み上がりであった彼女に無理をさせたという自覚はあったので何度も謝ったが、不貞腐れて口を聞こうとはせず。
 しかも夜には、ベッドから追い出される始末。

 結局昨夜、アッシュは傍にあったソファで眠っていた。


「ルーク……」
「………」
「……ルーク、好きだ」
「……」
「愛している」


 髪の毛の一房を手に取り、口付けを落とす。
 するとルークはまたもぞもぞと動き、目元だけ毛布から覗かせてきた。


「いや」


 飛び出てきた否定の言葉に、シチュエーション的に考えれば好きな奴に告白して否定されているような状況だなと苦笑しながらも、アッシュはルークの瞼へとキスをした。


「これで、良いか?」
「…………ゃ」


 それだけ言って、次は唇まで出される。
 そのまま誘われるように、可愛らしい唇にもキスをする。
 ちゅっと吸って離れれば、ルークは腰掛けている己へと擦り寄ってきた。
 腰に腕を回され、べそべそと泣き始める。

 熱を出して弱っていて、寂しかったのだろう。
 そのくせ意地を張っていた屑妹に、言いようもない愛しさを感じつつ、熱い頬をそっと撫でる。


「やだ、って……何度も言ったのに」
「……悪かった」


 あの時は熱が出ていて、加減をする事も、ルークを気遣う事も出来無かった。
 結果、己の本能のままに滅茶苦茶にしてしまったという罪悪感はある。

 しかし、あれがアッシュなりの甘えだった。

 好きな女の躰を抱き締めて、よがらせて、泣かせて。
 もっともっと艶やかで良い声を聞きたい、もっともっと感じさせて泣かせたい。
 普段は抑制している加虐的な感情を素直に出す事が、アッシュにとっての甘え方だった。


「許してくれるか?」
「……ん」


 問いかけに、こくりと頷いてくれる。
 それからぎゅっと腰にしがみ付き、可愛く甘えてくる。

 きっと己にも、こういう行動を取ってもらいたかったのだろう。
 もちろんそんな行動が、男である己に出来るはずはないのだが。

 せめてもの詫びにと、謝罪を込めて優しく頭を撫で、背中をさすってやる。

 そうしてのんびりといると、ふと部屋のドアがノックされた。
 引っ付いたままのルークに見やりつつ、まぁ良いだろと了承の返事をすれば、入ってきたのはジェイドだった。


「すみません、お邪魔しますね。ルークの追加分の薬作ってきたので。……ああ、ルークも起きていたのですか。具合はどうですか?」


 ジェイドが薄く笑みを浮かべれば、ルークはこくりと頷いた。


「大丈夫」
「そうですか。では貴女にも薬の説明をしておきますね。こちらは吐き気がする時など、食事が取れそうにない時に飲んで下さい。栄養剤です」


 一つの袋から薬を取り出し、見せてくる。
 それにルークが頷くと、ジェイドは元に戻しこちらへと手渡してきた。


「で。こちらは一週間に一度は定期的に飲んで下さい。これを飲まないと、吐き気が酷くなってしまいますから」
「吐き気。そういえば俺、何かの病気になったのか…?」


 不安げに窺ってくるルークにアッシュは口を開くも、そのまま止まってしまった。
 あれこれと言い訳を考え、しかしどう説明すれば良いのか思い浮かばず、そのまま何も発さずに口を閉じてしまう。


「お兄様?」
「……いや、別に病気だとかでは……」


 しどろもどろになりながら、それでも縋るように見上げてくる屑妹を安心させようとして眉を寄せる。
 すると、ジェイドがプッと噴出した。
 睨んでも、ひらひらと手で流される。


「いやいや、女性なのでそういう事も起きてしまうのですよ。病気になったわけではないですから、安心して下さい」
「そうなのか……」


 医師に安心しろと言われれば、大抵の患者はすんなり安心出来る。
 ルークも笑みを零し、そっかそっかと頷くと、嬉しそうにまたこちらにくっ付いてきた。

 彼女自身、今回の事に関しては相当気が滅入っていたのだろう。
 優しく頭を撫でると、余計に擦り寄ってくる。


「ではこれもアッシュに」
「ああ。すまないな」


 出された袋を受け取ると、ジェイドはにこりと笑みを浮かべた。
 その何か企んでいるような表情に、アッシュはぐっさりと眉の間に皺を寄せる。


「……何だ」


 促せば、にやにやと笑みを浮かべたまま、ルークに聞こえないよう耳元で囁いてきた。


「これ、女性ホルモンを多くする薬だと前に言いましたよね。ですから多分きちんと効いていれば、セックスの時などの興奮時には母乳が出てきますよ」
「ぶっ!」
「え、え?何?」


 噴出したアッシュに、聞こえなかったルークが慌てて顔を覗き込んでくる。
 今度はルークにも聞こえるように、ジェイドは先程より大きく声を出した。


「でもそれも病気ではありませんから、安心して下さいね〜」
「早く出ていけ!」
「おやおや冷たいですねぇ。ま、お邪魔虫はさっさと退散しますよ。お大事に」


 怒鳴るアッシュに笑みを浮かべたまま、それこそさっさと部屋から出て行ってしまった。
 パタンとドアが閉まると同時に、はぁと溜め息を吐く。

 シーンと静まり返る室内。
 少し顔が赤くなるのを自覚するも、アッシュは黙ったまま受け取った薬を近くのテーブルに置いた。
 それでもちらりとその紙袋を見ては、もう一度疲れたような溜め息を吐き出す。


「お兄様……?」
「……何でも無い」


 おずおずと見上げてくるルークに視線をやれば、首筋や鎖骨には己が付けた鬱血の跡があった。
 毛布で見えはしないが、その下には膨らんだ乳房があるのだ。

 そして……母乳。

 どうにもまた抱きたくなってきてしまい、しかし先程ルークに許してもらえたばかりではないかと理性が止める。

 それに、ルークは熱を出しているのだ。
 今やってしまえば、確実に熱が上がる。


「何か欲しいものはあるか?」


 雑念を払い、極力自然を心がけて笑みを浮かべれば、ルークは嬉しそうに微笑み返してきた。


「お兄様と一緒にいたいな」
「……ああ。あと少しだけれど、休暇中はずっと一緒にいてやるよ」
「うん」


 少しだけ寂しげな表情を浮かべるも、ルークはすぐに頷いた。
 無理矢理明るい表情を作ろうとする健気な姿に居た堪れなくなって、アッシュはその顔に己の顔を近づける。


「……に、さま……ん…」
「ルーク」


 唇を触れ合わせちゅっと音を鳴らし、己の長い髪でルークの顔を閉じ込め、互いにしか見えない空間で名前を囁き合う。

 ほんのりと熱ではない赤みに染まる頬を愛しむように撫でながら、もう一度唇を合わせようとすれば、ルークはそっと眼を瞑っていく。
 それに吊られ、アッシュも眼を閉じる。


「ん……んふ…」


 くちゅ、くちゅ、と。舌の絡み合う音が、この小さな檻の中でささやかに鳴り響いた。





  ...end.



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女体化エロは、書いていて楽しい。
いや、男でも楽しいけど!

2013.03.13
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